「長期休暇はどう過ごしているのか、帰省はできるのか」というのも、よく聞かれる質問の一つです。海外の医学部に通っていると、長期休暇のたびに移動距離の大きさや時差と向き合うことになります。
今回は、私が実際にどう休暇を計画し、現地に戻ってからどう立て直しているかを整理してみます。休暇の過ごし方は、次の学期の立ち上がりにかなり影響すると感じています。
🗂 目次
休暇は「仕組みの一部」として計画する
結論として、私は長期休暇を「頑張った後のご褒美」ではなく、次の学期を乗り切るための仕組みの一部として計画しています。何も考えずに休むと、かえって生活リズムが崩れて戻ってくるのに時間がかかると感じているからです。
休暇の目的は、単に休むことではなく「次の学期の開始時点で良い状態にあること」だと考えています。そう考えると、休暇の後半に何をしておくべきかが自然に決まってきます。

帰省・一時帰国のリアル
長期休暇のタイミングで日本に一時帰国する留学生は多いと思います。ただ、移動時間がかなり長くなることもあり、休暇の前半は移動と時差調整だけで終わることも珍しくありません。
私が計画時に織り込んでいるのは次のような点です。
- 移動そのものに丸1日近くかかることを前提にする
- 到着後の数日は時差調整に充て、予定を詰め込まない
- 帰国の直前にも同じだけの調整期間が必要になる
- 航空券の価格と時期の関係を、早い段階で確認しておく
往復の移動と前後の調整を合わせると、それだけで1週間近くを見込んでおく必要があります。この前提を織り込まずに予定を組むと、「思っていたより何もできなかった」という感覚だけが残ります。
休暇中の過ごし方
休暇中は、目的の違う期間を分けて考えるようにしています。
| 期間 | やること | 考え方 |
|---|---|---|
| 最初の数日 | 移動・時差調整 | 無理をしない。予定を入れない |
| 中盤 | 家族や友人と過ごす、休む | 休暇の本来の目的に充てる |
| 後半 | 軽く教科書に目を通す程度の維持 | 戻ったときの落差を減らす |
| 戻る直前 | 生活リズムを現地時間に寄せる | 初日から動ける状態を作る |
家族や友人と過ごす時間も、休暇の目的の一つとして明確に位置づけています。離れて暮らしている以上、この時間は意識して確保しないと確保できません。勉強のために削るという判断は、基本的にしないようにしています。

休暇中に勉強をどう扱うか
休暇中の勉強については、完全にゼロにする期間と、軽く維持する期間を分けています。
最初から最後まで勉強を続けようとすると、休んだ感覚が残らないまま学期が始まります。逆に完全にゼロのまま戻ると、再開に必要な気力が大きくなります。どちらの失敗も経験したうえで、前半は離れて後半は軽く触れる、という形に落ち着きました。
後半の「軽く触れる」は、進めることが目的ではありません。教科書を開く動作そのものへの抵抗を減らしておくのが目的です。1日15分、前学期の範囲を眺めるくらいで十分だと感じています。
現地に戻ってからの立て直し
休暇が明けて現地に戻った直後は、生活リズムを戻すことを最優先にしています。到着してすぐに全力で勉強を再開しようとせず、数日かけて元のペースに戻していくくらいの心構えでいる方が、結果的に早く軌道に乗れると感じています。
私が戻ってから最初にやるのは、勉強ではなく生活の再構築です。
- 買い物をして、食事のルーティンを先に戻す
- 起床と就寝の時刻を、数日かけて現地時間に合わせる
- 洗濯や掃除など、曜日で回している家事を再開する
- そのうえで、勉強は軽い内容から段階的に戻す
生活が回っていない状態で勉強だけ全力に戻そうとすると、たいてい数日で崩れます。土台から順に戻す方が、遠回りに見えて早いというのが実感です。
戻る日そのものの選び方も、意外と効きます。学期が始まる前日に到着すると、時差が残ったまま初日を迎えることになります。私は最低でも数日の余裕を持って戻るようにしていて、その数日を生活の立て直しに充てています。航空券の都合で難しい場合もありますが、可能なら優先して確保する価値がある部分だと考えています。
帰省しない休暇の過ごし方
毎回の休暇で帰省できるとは限りません。費用や時期の都合で現地に残る休暇もあります。その場合の過ごし方も、あらかじめ考えておく価値があると感じています。
現地に残る休暇は、移動に時間を取られないぶん自由に使えますが、逆に生活のメリハリがなくなりやすいという難点があります。私は「休暇中も起床時刻だけは大きくずらさない」というルールを作って、リズムが崩れないようにしています。
また、こういう休暇は普段できないことに使う機会でもあります。生活の仕組みを見直したり、次の学期に向けて勉強のやり方を組み直したりする時間として使うと、休暇そのものが次への準備になります。
私が現地に残る休暇にやるようにしているのは、次のようなことです。
- 前学期の勉強のやり方を振り返り、うまくいかなかった点を書き出す
- 固定費や生活の仕組みを見直す
- 普段は時間が取れない範囲の復習を、まとめて進める
- 同じように残っている友人と会う予定を、意識して入れる
最後の項目は、あえて予定として入れるようにしています。学期中は自然に人と会いますが、休暇中は放っておくと何日も誰とも話さない状態になりえます。一人の時間そのものは悪くないのですが、それが続くと生活のリズムまで曖昧になっていくと感じています。
帰省する休暇と、現地に残る休暇では、必要な設計がまったく違います。前者は移動と時差をどう織り込むか、後者はメリハリをどう自分で作るかが課題になります。どちらの型も持っておくと、休暇の予定が直前まで決まらない年でも慌てずに済みます。

帰れる窓は、学期の構造でほぼ決まっている
帰省の話は気持ちの問題として語られがちですが、自分の学年暦を数えてみたら、選択肢はかなり限られていました。
1学期ぶんの予定を全部集計すると216コマ・297.8時間。そのうち実習が145コマ、全体の67%を占めます。実習は出席が要件になっているので、動かせません。
| 学期中の空き | 日数 |
|---|---|
| 授業が1つも入っていない平日 | 4日 |
| 年末年始の休み | 11日 |
学期中にまとまって帰れる窓は、事実上1つしかありません。飛び石の4日は移動だけで消えます。「忙しくて帰れない」のではなく、帰れる期間が構造的に1つしか存在しないということでした。
この事実には利点もあります。窓が1つなら、日程を早い段階で確定できます。学年暦は学期が始まる前に出るので、航空券も早く押さえられる。悩む余地が無いぶん、判断が楽でした。
費用は「記録した時点のレート」で固定して考える
帰省でもう一つ効くのがお金です。ここで自分なりに決めているルールがあります。支出を記録するとき、円換算はその時点のレートで固定する。
後から為替が動いても、過去の記録を書き換えないという意味です。そうしないと「先月いくら使ったか」が為替で勝手に変わってしまい、自分の使い方を評価できなくなります。
現在のレートとの差は、別枠で「為替による差」として見ます。自分の支出の問題と、為替の問題を混ぜないという整理です。混ぜると、節約したのか円高になっただけなのかが分かりません。
航空券についても同じ考え方で、「安くなったら買う」ではなく「買うと決めた時期に、その時の価格で買う」にしています。窓が1つしか無い以上、待って取れなくなるリスクのほうが大きいからです。
冬の帰省は、日照の谷と重なる
高緯度に住んでいる場合、年末の帰省には別の意味が加わります。その時期が、1年で最も日が短い時期と重なるからです。
自分の住む場所の日の出・日の入りを計算したところ、昼の長さは9月1日の13時間57分から、冬至には6時間43分まで縮みます。半分以下です。授業日78日のうち27日は、暗い中で建物に出入りすることになります。
つまり年末の休みは、単なる帰省ではなく、日照が最も少ない時期に一時的にそこを離れる機会でもあります。私はこれを、体調管理の予定としても数えるようにしました。
逆に言えば、帰らない選択をする年は、その時期の過ごし方を別に設計する必要があります。暗い時期に予定が空白だと、生活が一気に縮みます。帰省するかどうかは、旅費の話であると同時に、その冬をどう過ごすかの話でもありました。
よくある質問
休暇はどれくらいの長さですか?
学校や学期の区切りによって異なります。長さそのものより、移動と調整にどれだけ取られるかを前提に計画する方が実用的だと感じています。
休暇中に全く勉強しなくても大丈夫ですか?
前半は問題ないと考えています。ただ完全にゼロのまま戻ると再開が重くなるので、私は後半だけ軽く触れるようにしています。
時差ボケの対策はありますか?
私は到着した日から現地時間で行動するようにしています。日中に外の光を浴びることも意識していて、これが一番効いていると感じています。
帰省の頻度はどう決めていますか?
費用と時期の両面から、事前に年間の計画として決めるようにしています。その都度決めると判断のたびに迷うことになります。
おわりに
- 休暇は「ご褒美」ではなく次の学期のための仕組みの一部と捉える
- 移動・時差調整の時間を最初から織り込んで計画する
- 前半は離れ、後半は軽く触れる形で勉強との距離を取る
- 戻ってからは生活の土台から順に立て直す
長期休暇のたびに移動と時差に振り回されるのは、海外で学ぶ上での現実的な一面だと思います。それも含めて仕組み化しておくことで、休暇明けの立ち上がりがずいぶん楽になったと感じています。
最後に、帰省しない年の話も書いておきます。年末の休みは11日ありますが、そこを現地で過ごす選択もあります。
その場合に気をつけているのは、11日を空白のままにしないことです。授業が無い期間は、放っておくと生活のリズムが後ろにずれます。私は起床時刻を曜日で変えない設計にしているので、休みの期間もそこだけは動かさないと決めています。
戻すのに時間がかかるからです。11日ずれた生活を学期の初日に戻すのは現実的ではなく、結局その週まるごとを立ち上げに使うことになります。休みを休みとして使いつつ、起床時刻だけは維持する。ここが折り合いの付けどころでした。


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