「海外医学部を受けるには、英語がどのくらいできればいいのか」というのは、私自身が受験を考えていた頃に一番気になっていた疑問でした。基準がはっきりしないと、何をどこまでやればいいのかも決まりません。
求められる水準は学校によって大きく異なるため、ここでは一般的な傾向と、私が受験期に実際に行っていた対策を整理します。具体的なスコア基準は必ず志望校の最新の公式要項で確認してください。
結論:必要なのは「アカデミックな英語力」
結論として、海外医学部が求めているのは日常会話ができるレベルの英語ではなく、講義を理解し、教科書を読み、試験で論理的に答えられるレベルのアカデミックな英語力です。
この違いは思っている以上に大きいと感じています。日常会話は、多少単語が分からなくても文脈と表情で成立します。しかし講義や教科書は、分からない語がそのまま理解の穴になります。旅行で困らない程度の英語力と、医学を英語で学べる英語力はまったく別のものです。

一般的に求められる英語力の目安
多くの学校で、国際的に認知された英語試験のスコアを一定の基準として設定している傾向があります。ただし、必要なスコアや試験の種類は学校によってかなり差があるため、「このくらいあれば大丈夫」と一概には言えません。
私が調べる段階で確認しておいてよかったと思うのは、次のような点です。
- どの試験のスコアが認められるか(複数の選択肢がある場合も多い)
- 総合スコアだけでなく、各セクションの最低基準があるかどうか
- スコアの有効期限と、出願時期との関係
- スコア以外の方法で英語力を証明できる場合があるかどうか
2つ目は特に見落としやすいところです。総合スコアが基準を超えていても、特定のセクションが基準に届かず要件を満たさない、ということが起こりえます。得意な技能で総合点を稼ぐ戦略が通用しない場合があるので、要項は細部まで読む必要があります。
4技能のうち、どれが効いてくるか
受験のためのスコアと、入学後に実際に使う力は、重心が少しずれていると感じています。
| 技能 | 受験段階 | 入学後 |
|---|---|---|
| リーディング | スコアの中心になりやすい | 教科書・文献で毎日使う |
| リスニング | スコアに必要 | 講義の理解に直結する |
| ライティング | スコアに必要 | レポート・記録で使う |
| スピーキング | 学校により面接がある | 実習・グループ学習で必須 |
受験の段階ではリーディングとリスニングの比重が大きくなりがちですが、入学後に一番差が出ると感じているのはスピーキングです。実習やグループ学習では、聞き取れるだけでは足りず、自分から話す必要があります。受験対策の段階からここを捨てないでおくと、入学後が楽になります。
私が実践した対策
私が意識していたのは、単語を単体で覚えるのではなく、「どんな場面で使うか」をセットで学ぶことです。
- 医学系の単語は、実際の文章の中で意味を確認しながら覚える
- リスニングは机に向かう勉強とは別に、生活の中の隙間時間に組み込む
- 模試や過去問形式の問題を定期的に解き、自分の弱点分野を可視化する
- 書いた英文を、時間を置いてから自分で読み返して直す
闇雲に勉強量を増やすのではなく、自分の弱点がどこにあるかを先に把握してから対策する方が、結果的に近道になると感じています。このブログで書いている「棚卸ししてから絞り込む」という考え方は、英語の対策にもそのまま当てはまります。
リスニングを隙間時間に回したのは、机に向かう時間を読む・書くに使いたかったからです。移動中や家事の時間に音声を流しておくだけでも、量を積むことはできます。逆に、集中を要する精読やライティングは隙間時間には向きません。技能ごとに置く時間帯を変えるのは、勉強の設計としても効率が良いと感じています。

入学後も英語力は伸ばし続ける必要がある
英語力は受験に合格したら終わりではありません。入学後は専門的な医学英語がさらに増えるため、私自身も今なお英語力を伸ばし続けている最中です。
ただ、入学後の伸ばし方は受験期とは変わりました。英語のための勉強時間を別に取るのではなく、医学の勉強そのものを英語でやることが、そのまま英語の練習になっています。教科書を読み、講義を聞き、説明する。この繰り返しが日常なので、意識して確保する時間はほとんど必要ありません。
受験対策で身につけた学習習慣は、そのまま入学後にも活きています。弱点を可視化してから対策するというやり方は、英語でも医学でも同じように使えています。
対策でつまずいたこと
最後に、自分がうまくいかなかった点も書いておきます。
- 単語帳を1冊完璧にすることを目標にしてしまい、実際の文章で使えなかった
- スコアを上げること自体が目的になり、話す練習を後回しにした
- 教材を増やしすぎて、どれも中途半端になった
2つ目は入学後に響きました。スコアの要件を満たしていても、実習で自分から話す場面になると別の壁があります。もし受験期に戻れるなら、スコア対策と並行して、声に出して説明する練習の時間を確保すると思います。
3つ目も同じ構造の失敗でした。良さそうな教材を見つけるたびに手を出していたので、どれも最後まで終わりませんでした。今振り返ると、教材を増やすことで「対策している感覚」を得ていただけだったと思います。1冊を繰り返す方が明らかに定着します。
よくある質問
英語が苦手でも海外医学部は目指せますか?
必要な水準は学校によって違うので、まず志望校の要件を調べるところから始めるのがよいと思います。今の実力より、そこまでの距離を計画に落とせるかどうかが重要です。
どの英語試験を受けるべきですか?
志望校が認めている試験の中から選ぶことになります。複数認められている場合は、自分の得意な形式で選ぶのも一つの考え方です。必ず公式要項を確認してください。
医学英語は受験前に勉強すべきですか?
私は必須ではないと考えています。まず一般的なアカデミック英語の土台を作る方が優先度は高く、専門用語は入学後に文脈の中で覚える方が定着しました。
スピーキングはどう練習しましたか?
相手がいなくても、教材の内容を自分の言葉で声に出して説明する練習はできます。私はこれを勉強のアウトプットと兼ねてやっていました。
おわりに
- 求められるのは日常会話ではなくアカデミックな英語力
- 必要なスコア・試験の種類は学校ごとに必ず公式情報で確認する
- セクションごとの最低基準の有無まで要項を読み込む
- 単語は「使う場面」とセットで覚え、弱点を可視化しながら対策する
英語力の壁は、正しく対策すれば越えられないものではないと私は感じています。焦らず、自分の弱点から対策を組み立ててみてください。
この記事は私個人の経験と理解にもとづく整理であり、特定の学校や試験を推奨するものではありません。必要な要件・スコア基準・制度は変更されることがあるため、実際の検討にあたっては必ず各校および公的機関の最新の公式情報をご確認ください。


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