「過去問を1周するだけで精一杯で、2周目に入る前に試験が来てしまう」。医学部の勉強では、扱うべき過去問の量がとにかく膨大です。私も最初の頃は1問1問をじっくり考えすぎて、1周目の途中で試験当日を迎えたことが何度もありました。
今は同じ量の過去問を、以前よりずっと少ない負担で回せています。変えたのは勉強のやり方ではなく、「1周で完璧を目指さない」という前提そのものです。今回は、周回を前提にした過去問の設計を、1周目のルールから直前期の絞り込み方まで整理します。
🗂 目次
結論:1周目は「広く浅く」でいい
過去問対策でつまずく一番の原因は、1周目から完璧に理解しようとすることだと私は考えています。結論から言うと、過去問は次のように「周回すること」を最初から前提にして設計するべきです。
- 1周目は分からなくても立ち止まらず、答えを見て次に進む
- 2周目以降は間違えた問題だけに絞って解き直す
- 周を重ねるごとに解く母集団を小さくしていく
この設計の利点は、試験日までに何周できるかが早い段階で読めることです。1周目に何日かかったかが分かれば、残り日数から2周目・3周目の見通しが立ちます。逆に1周目でつまずいたままだと、そもそも全体量が分からないので、計画が最後まで立てられません。

1周目のルール:15秒で分からなければ答えを見る
1周目の目的は「理解」ではなく「全体像を1回さらうこと」だと私は割り切っています。具体的には、1問あたり15秒ほど考えて分からなければ、すぐに解説を読んで次に進みます。
- 分からない問題には必ず印をつけておく
- 解説は丸暗記せず、「なぜその答えになるか」だけ確認する
- 調べ物は原則しない。気になった語句はメモだけ残して先へ進む
- 1周目を最後まで終わらせることを最優先にする
特に効いたのは「調べ物をしない」というルールです。1問ずつ教科書に戻っていると、1周目が終わりません。気になった語句はメモに書き出しておいて、1周が終わってからまとめて調べる方が、同じ時間でも進みがまったく違います。
1周目でつまずいて止まってしまうと、出題の傾向も、範囲のどこが重いのかも把握できないままです。まず最後まで走り切ることが、2周目以降の効率を大きく左右します。
2周目以降:母集団を絞り込んでいく
2周目からは、1周目で印をつけた「分からなかった問題」だけを解き直します。全問をもう一度解くのではなく、母集団そのものを絞り込んでいくイメージです。
| 周 | 解く対象 | 1問あたりのかけ方 |
|---|---|---|
| 1周目 | 全問 | 15秒考えて分からなければ答えを見る |
| 2周目 | 1周目で印のついた問題のみ | 解ける手応えがあるかを確認する |
| 3周目 | 2周目でも間違えた問題のみ | なぜ間違えたのかまで踏み込む |
| 4周目以降 | 直前まで残った少数の問題 | 覚えるところまでやり切る |
周を重ねるごとに解く量が減っていくので、負担も自然と軽くなります。同時に、残っている問題ほど自分にとって重要度が高いという構造にもなるので、時間をかける価値も上がっていきます。全問を毎回解き直すやり方だと、この「時間の集中投下」ができません。

周回のタイミングは「間隔」を意識する
周回のタイミングも重要です。直後にもう一度解いても、覚えているだけで「解けた気」になりやすいので、私は数日〜1週間ほど間を空けてから次の周に入るようにしています。
忘れかけた頃に思い出す作業を繰り返すことで、記憶への定着も自然と良くなります。逆に、間を空けずに連続で回すと、問題文の見た目や選択肢の位置で答えを覚えてしまうことがあります。本番では同じ並びで出てくれないので、これは点数につながりません。
間隔の目安としては、範囲が広いときほど自然と1周に時間がかかるので、意識して待つ必要はあまりありません。むしろ範囲が狭い科目のときに、意図的に数日置くようにしています。
もう一つ気をつけているのは、周回のたびに問題の順番を変えることです。同じ順番で解き続けると、前の問題からの流れで答えが出てきてしまい、本当に思い出せているのか判断がつかなくなります。私は印のついた問題を後ろから解いたり、章をシャッフルしたりして、毎回違う順番になるようにしています。手間はほとんどかかりませんが、自分の理解度を正しく測れるようになる効果は大きいです。
印のつけ方を3段階にする
最初は「分からなかった問題」に一律で印をつけていましたが、2周目で「なんとなく解けたが自信がない問題」と「まったく分からない問題」が混ざって扱いにくくなりました。今は3段階に分けています。
| 印 | 状態 | 次の周での扱い |
|---|---|---|
| ◯ | 自信を持って正解できた | 以降は解かない |
| △ | 正解したが根拠が曖昧 | 次の周で1回だけ確認する |
| × | 間違えた・見当もつかなかった | 毎周解き直す |
判定は解いた直後の感覚で十分です。後から見直して精度を上げるより、まず印を残す習慣そのものを優先しています。この3段階にしてから、直前期に「どこから手をつけるか」で迷う時間がほぼなくなりました。
直前期は何周目にいるべきか
私の感覚では、試験の1週間前の時点で「×の問題だけを回している状態」に入っていたいところです。この時期に1周目をやっているとかなり苦しくなります。
逆算すると、1周目は試験の3週間前までには終わらせておきたい、ということになります。1周目に時間をかけすぎる最大のリスクは、理解が浅くなることではなく、この逆算そのものができなくなることだと考えています。
もし1周目が間に合わなさそうだと分かった時点で、私は範囲を切ります。全範囲を浅く1周する方を選び、捨てる範囲を明示的に決めます。中途半端に手を広げたまま当日を迎えるのが一番点になりません。
❓ よくある質問
Q1. 1周目で解説を読んでも分からないときは?
Q2. 何周すれば十分ですか?
Q3. 解答を先に見てしまうと力がつかないのでは?
Q4. 複数科目を並行して回すときのコツは?
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要点の整理
- 過去問は1周で完璧を目指さず、周回前提で設計する
- 1周目は「広く浅く」、調べ物をせず最後まで走り切る
- 印を3段階に分けて、周ごとに母集団を絞る
- 試験日から逆算し、直前期は×だけを回している状態にする
過去問の量に圧倒されている人ほど、1周目から完璧を目指してしまいがちです。私自身の経験からも、「終わらせること」を優先した方が結果的に得点は伸びました。焦らず、周回を前提にした設計に切り替えてみてください。


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