「寝る90分前から準備を始めましょう」という話は、私も何度も読みました。理屈は分かります。問題は、自分の時間割でその90分がどこにあるのかを、一度も確かめていなかったことでした。
学期の予定を数えてみて、そこが崩れました。私の週には19:30に実習が終わる日があります。朝は8:30に始まるので、その日の拘束は11時間。帰って着替えて食事をすると、21時を過ぎます。ここから90分のルーティンを始めると、就寝は23時を回ります。
つまり「就寝前90分」は、終わる時刻によっては物理的に成立しません。成立しない日に同じ手順を当てはめようとして、私は何度か失敗しました。この記事は、そこを終業時刻ごとに分けて組み直した記録です。
🗂 目次
まず「何時に終わる日が何日あるか」を数えた
睡眠の工夫を考える前に、自分の時間割を集計しました。1学期16週で216コマ・297.8時間。そのうち実習が145コマ、全体の67%を占めます。実習は時間も場所も動かせません。
終わる時刻に注目すると、こうなっていました。
| 日のタイプ | 終わる時刻 | 帰宅後に使える時間 |
|---|---|---|
| 最長の日(毎週ある) | 19:30 | 短い ―― 食事を含めて2時間台 |
| 標準的な日 | 夕方 | 通常どおり確保できる |
| 午後で終わる日 | 早い | 余裕がある |
さらに、週ごとの拘束時間そのものが12.8時間から23.2時間まで、1.8倍の幅で振れます。「毎晩同じ手順を踏む」という前提が、そもそも私の時間割と噛み合っていませんでした。
睡眠時間の目標は、週の合計で見ています。週53時間、1日あたり7.6時間が今の基準です。日ごとに完璧を狙うより、週で帳尻が合っていればよいと考えるようにしました。

終業時刻ごとに、3つの版を用意する
そこで、就寝前の手順を90分版・45分版・15分版の3つに分けました。選ぶ基準は体調でも気分でもなく、その日の終業時刻です。
基準を時刻にしたのには理由があります。「今日は疲れているから短い版にしよう」という判断は、疲れているときほど下せないからです。時間割は前もって分かっているので、朝の時点でその日どの版になるかが確定します。判断の必要がありません。
3つに共通して絶対に外さない項目を1つだけ決めてあります。「明日やることを紙に出す」です。これは15分版にも入っています。理由は後述しますが、これを飛ばした日だけ、寝つきが明確に悪くなったからです。
90分版 ― 体温を上げてから下げる
時間に余裕がある日の手順です。軸は深部体温にあります。人は体の内側の温度が下がるときに眠くなるので、いったん上げてから下げると落差を作れます。
| 就寝までの残り | やること |
|---|---|
| 90分前 | 食事を終える/その日の勉強を閉じる |
| 60〜90分前 | 入浴(体温を上げる) |
| 30〜60分前 | 明日の持ち物を用意/やることを紙に出す |
| 30分前〜 | 照明を落とす/画面を見ない |
入浴を60〜90分前に置いているのは、上がった体温が下がりきるまでに時間がかかるためです。直前に入ると、逆に寝つきが悪くなります。私は最初これを間違えて、寝る直前に入っていました。

45分版 ― 削るのは入浴ではなく「考える作業」
19:30に終わる日はこの版です。90分の手順から何を落とすかを決めるとき、私は最初、入浴を削りました。これは失敗でした。
入浴は体温の落差を作る部分なので、ここを抜くと寝つきに直接効きます。代わりに落とすべきだったのは「その日を振り返る」「明日の計画を立て直す」といった考える作業のほうでした。これらは眠気を遠ざけるうえ、翌朝でも代替できます。
- 残すもの ―― 入浴(短くてよい)/明日の持ち物/やることを紙に出す/照明を落とす
- 落とすもの ―― 振り返り/計画の見直し/その日の復習の続き
「復習の続き」を落とすのは勇気が要りました。ただ、拘束11時間の日の21時以降にやる復習が、どれだけ身についていたかを考えると、答えははっきりしていました。翌朝に回したほうが結果は良かったです。
15分版 ― 明日の分を紙に出すだけ
帰宅が遅れた日や、体調が落ちている日の最低ラインです。やることは1つだけ。明日やることを紙に書き出す。それだけで布団に入ります。
なぜこれだけを残したのか。試してみて、これを飛ばした日だけ、布団の中で考えごとが続く時間が明らかに長かったからです。頭の中に残っている未処理の予定が、横になった瞬間に浮かんできます。紙に出しておくと、それが起きません。
書き方も決めてあります。やることだけを箇条書きにして、順番も所要時間も書きません。順番を考え始めた時点で、それは計画作りになり、頭が働いてしまいます。出すのは項目だけ。並べるのは翌朝です。
昼の空き6時間15分に、仮眠を入れるかどうか
私の時間割には、拘束11時間の日の真ん中に6時間15分の空きコマがあります。8:30に講義が始まり、次の実習は16:15から。この間がまるごと空きます。
ここに仮眠を入れるかどうかは、実際に迷いました。11時間拘束の日なので、後半に備えて寝ておくのは合理的に見えます。結論から言うと、入れる場合は長さと時刻を固定し、それ以外の日は入れないという形に落ち着きました。
| やり方 | 結果 |
|---|---|
| 眠くなったら寝る(時刻も長さも決めない) | 1時間以上寝てしまい、夜の寝つきが崩れた |
| 昼過ぎに20分だけ、時刻を決めて取る | 夜に影響が出ず、実習の後半が持つ |
| 夕方近くに取る | その日の就寝時刻が明確に後ろへずれた |
効いたのは「長さ」より「時刻」でした。同じ20分でも、夕方に近づくほど夜への影響が出ます。空きコマが6時間もあると、疲れたタイミングでつい横になれてしまうので、あらかじめ時刻を決めておかないと、いくらでも後ろにずれます。
今は、この空きコマの主な用途をその日の実習の予習にしていて、仮眠はその前に短く挟む形にしています。空き時間が大きいほど、中身を決めておく必要があると感じます。小さな隙間なら何をしても大差ありませんが、6時間は生活のリズムを動かせる長さです。
試験期に最初に削られるのは睡眠だった
ここは自分の失敗の記録です。拘束が重い週 ―― 前述の23.2時間の週 ―― に何が起きたかを振り返ると、削られたのは常に睡眠でした。
理屈は分かります。授業の時間は動かせず、自習量は減らしたくない。差の4.6時間は、どこかから持ってくるしかありません。睡眠は「今日削っても今日は困らない」唯一の項目なので、真っ先に候補になります。
問題は、効果が遅れて出ることです。削った当日は乗り切れます。効いてくるのは2〜3日後で、そのときには原因が睡眠だったことを自分でも忘れています。「最近集中できない」という感想だけが残ります。
今は順番を変えました。重い週に削るのは自習量のほうからと決めています。具体的には、週の頭に拘束時間を見て20時間を超えていたら、その週は自習の目標を下げます。睡眠を固定値として先に確保し、残りで自習を組むという順序です。
この順序にしてから、重い週の翌週の立ち上がりが明らかに良くなりました。削る対象を事前に決めておかないと、その場で一番削りやすいものが削られます。そして一番削りやすいものは、たいてい一番削ってはいけないものでした。
冬は、朝の側から崩れてくる
もう一点、高緯度に住んでいる事情があります。日の出・日の入りを計算したところ、昼の長さは9月1日の13時間57分から、冬至には6時間43分まで縮みます。半分以下です。
睡眠の観点で効くのはここでした。授業が日の出前に始まる日が、学期中に10日あります。その時期は、朝に光を浴びて体内時計を合わせるという手が使えません。夜の手順をどれだけ整えても、朝の側の信号が無いと全体がずれていきます。
そこで10月末から、朝に室内の高照度の光を20〜30分使う形に切り替えています。夜の準備と朝の光はセットで一つの仕組みで、どちらか片方だけでは冬に保ちませんでした。日照と時間割の重ね方は別の記事に詳しく書いています。
❓ よくある質問
Q1. 睡眠時間は何時間が目標ですか?
Q2. 90分も取れない日のほうが多いのですが
Q3. スマホは本当に見ないほうがいいですか?
Q4. 眠れない日はどうしていますか?
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まとめ
- 「就寝前90分」は終業時刻によっては成立しない。まず自分の終わる時刻を数える
- 私の週には19:30終業・拘束11時間の日が毎週ある
- だから90分・45分・15分の3版を用意し、選ぶ基準は時間割にする
- 短縮するとき入浴を削るのは間違い。削るのは「考える作業」
- 共通して外さないのは「明日やることを紙に出す」の1つだけ
- 冬は日の出前に起きる日が10日。夜の手順だけでは保たない
睡眠の記事を読んで実行できなかった時期、私は自分の意志の問題だと思っていました。実際には、手順が自分の時間割に乗らない形をしていただけでした。終わる時刻を数えて版を分けたら、同じ内容でも続くようになりました。


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