睡眠の質を上げて激務を乗り切る「就寝前90分ルーティン」

身体と心のパフォーマンス向上

「今日も疲れているのに、なぜか寝つきが悪い」。実習やテスト勉強で頭も体もへとへとなのに、布団に入ってからスマホを見続けて気づけば夜中の2時、翌朝は寝た気がしない。私も以前はそんな夜を何度も繰り返していました。

今は同じ睡眠時間でも、翌日のコンディションがまったく違います。変えたのは睡眠時間の長さではなく、寝る前90分の「使い方」です。今回は、忙しい時期でも崩れにくい就寝前ルーティンを、時間軸に沿って整理します。

睡眠時間より「入眠前90分」を整える

睡眠の質を上げたいとき、多くの人はまず「何時間寝るか」を気にします。もちろん時間の確保は大切ですが、忙しい医学部生にとって現実的に効くのは、限られた睡眠時間の質を上げることです。

そのために私が整えているのは、次の3つです。

  • 脳を興奮させる情報・光を寝る90分前から減らす
  • 体温を一度上げてから下げる流れを作る
  • 「明日やること」を頭から紙に出しておく

どれも新しく時間を確保する話ではなく、もともとある寝る前の時間の使い方を変えているだけです。だから忙しい時期でも実行できますし、実際に効果を感じたのも、睡眠時間を30分伸ばしたときより、この90分を整えたときの方が大きかったです。

布団の中でスマホを見る人のイラスト

寝る90分前から「脳の興奮」を減らす

スマホの強い光や、SNS・動画のように次々と情報が入ってくるコンテンツは、脳を興奮させて入眠を遠ざけます。厄介なのは、疲れているときほどこうしたコンテンツに手が伸びることです。頭を使いたくないぶん、受け身で流し込めるものを選んでしまいます。

私は次のようなルールにしています。

  • 就寝90分前になったらSNS・動画は見ない
  • どうしてもスマホを触るなら、画面の明るさを落とす
  • 代わりに紙の本や、軽い読み物に切り替える
  • 寝室にスマホを持ち込まず、充電は別の部屋で行う

最後の項目が一番効きました。手の届くところにあると、意志の問題ではなく反射で触ってしまいます。目覚まし代わりに使っていたときは手放せませんでしたが、安い目覚まし時計を1つ買っただけで解決しました。

「寝る直前まで頑張って情報を入れる」よりも、「90分前から脳を落ち着かせる」方が、結果的に翌日のコンディションは良くなります。直前の30分で覚えた内容より、翌日の頭の回転の方が失うものが大きいと感じています。


「体温を上げてから下げる」流れを作る

人は体の内部の温度が下がるタイミングで眠くなると言われています。そこで私は、寝る前に軽く入浴して一度体温を上げ、その後緩やかに下がっていく流れに乗るようにしています。

  • 就寝の60〜90分前に湯船に浸かる(時間がない日はシャワーで軽く温まる程度)
  • 入浴後は激しい運動や強い光を避けて、体温が下がるのを邪魔しない
  • 部屋の温度も、暑すぎず寒すぎない状態に整えておく

入浴のタイミングは意外と重要で、寝る直前に熱いお風呂に入ると逆に寝つきが悪くなります。体温が下がりきる前に布団に入ることになるからです。私は入浴後に軽く読書をしたり翌日の準備をしたりして、自然に時間を空けるようにしています。

湯船のイラスト

「明日やること」を紙に出してから布団に入る

布団に入ってから「あれもやらなきゃ」「これ忘れてた」と考え事が止まらなくなる経験がある人は多いと思います。私はこれを防ぐために、寝る前に翌日やることを紙やメモアプリに書き出してから布団に入るようにしています。

頭の中に置いたままにせず、一度外に出しておく。それだけで、布団の中で考え事がぐるぐる回る感覚がかなり減りました。「忘れないように覚えておく」という作業を脳にさせ続けているから、頭が休めないのだと考えています。

書く内容は細かくなくて構いません。私は3〜5項目と、翌朝一番に手をつけることを1つだけ決めて終わりにしています。詳細な計画を立て始めると、それ自体が脳を働かせてしまうので、あくまで「頭から出す」だけの作業にとどめるのがポイントです。


90分の具体的なタイムライン

上の3つを実際の時間に落とし込むと、次のような流れになります。就寝時刻を0分として逆算しています。

就寝までの時間やること
90分前SNS・動画を終える。スマホを別の部屋の充電器へ
80〜60分前入浴。湯船に浸かって体温を上げる
50〜30分前翌日のやることを書き出し、持ち物を用意する
30〜10分前紙の本を読む、軽くストレッチをする
10分前照明を落として、布団に入る準備をする

すべてを毎日きっちり守っているわけではありません。ただ、この順番だけ覚えておくと、忙しい日でも「今どこを省略しているか」が自分で分かります。全部が崩れているのか、入浴の時間がずれているだけなのかで、翌日への影響がかなり違います。


ルーティンが崩れた日の対処

実習が長引いた日や、課題の締め切りが翌朝の日は、90分どころか30分も確保できません。そういう日にどうするかを決めておかないと、崩れた日から元に戻れなくなります。

私が優先順位をつけているのは次の通りです。時間がないほど上から順に守ります。

  • 最優先:布団にスマホを持ち込まない(これだけは何があっても守る)
  • 次点:翌日やることを3行だけ書き出す(1分で終わる)
  • 余裕があれば:入浴と読書

そして翌朝、寝不足だと感じた日は予定の方を軽くします。無理に通常量をこなそうとすると、その日も夜が遅くなって連鎖します。睡眠が崩れた翌日は「回復に使う日」と決めておくと、2日以上引きずることが減りました。

❓ よくある質問

Q1. 90分も確保できない日はどうしますか?
全部をやろうとせず、スマホを寝室から出すことだけを守っています。効果が一番大きく、時間もかからない項目です。
Q2. 寝る前に勉強するのは良くないですか?
内容によると考えています。暗記系は寝る直前でも問題ないと感じていますが、頭を使って考える作業は脳が興奮するので、90分より前に終えるようにしています。
Q3. 湯船に浸かる習慣がありません
シャワーでも構いません。目的は体温を一度上げることなので、少し温まる程度でも流れは作れます。
Q4. 休日に寝だめするのはどうですか?
私は2時間以上ずらさないようにしています。大きくずらすと翌週の寝つきが悪くなり、結局トータルでは損をする感覚があります。

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おわりに

  • 寝る90分前から脳の興奮を減らす
  • 体温を上げてから下げる流れを作る
  • 頭の中の「気になること」を紙に出しておく
  • 崩れた日用の優先順位を決めて、翌日に引きずらない

忙しい生活の中で、睡眠時間そのものを大きく増やすのは簡単ではありません。だからこそ、限られた時間の質を上げる工夫を積み重ねていきたいと思っています。まずはスマホを寝室から出すところから試してもらえたらと思います。

この記事は個人的な生活習慣の整理であり、睡眠障害などの医学的な問題に対する治療方針を示すものではありません。長期間にわたって不眠が続く場合は、医療機関にご相談ください。

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