英語の授業で、文章は聞き取れているのに数字のところだけ分からない ― これは私が最初の学期にいちばん困ったことでした。逆に自分が発表するときも、スライドに「0.05」「10⁻³」「37.5℃」と書いてあるのに、口で何と言えばいいのか分からず、指さして黙ってしまったことがあります。
数字と記号の読み方は、単語のように無数にあるわけではありません。型が20個ほどあるだけで、あとはその組み合わせです。この記事では、授業・ゼミ・発表でそのまま使える読み方を、実例つきでまとめます。理系文系を問わず、英語で数字を扱う場面すべてで使えます。
数字は「型」を覚えれば、あとは組み合わせ
数字の読み上げでつまずく原因は、語彙ではなく区切り方にあります。日本語は4桁(万・億)で区切るのに、英語は3桁(thousand・million・billion)で区切る。小数点以下は日本語だと「〇点〇五」とまとめて読むこともありますが、英語では原則1桁ずつ読む。この2つの違いを知っているだけで、聞き取りも発話もかなり安定します。
もう1つ。数字を言うときは、ゆっくり言い切ることが速く言うことより大事です。聞き手は数字を頭の中で書き取っているので、速く言われると追いつけません。私は数字の直前でひと呼吸置くようにしてから、聞き返される回数が明らかに減りました。

基本の数 ― 小数・分数・大きな数
zero point seven five
ズィアロウ ポイント セヴン ファイヴ
0.75
💡 小数点以下は1桁ずつ読む。0.75 を seventy-five とは読まない。イギリス英語では zero の代わりに nought とも言う
zero point zero five
ズィアロウ ポイント ズィアロウ ファイヴ
0.05
💡 会話では point oh five と言うことも多い。統計の p 値でよく出てくる
two thirds
トゥー サーヅ
3分の2
💡 分子→分母の順。分母は序数で、分子が2以上なら複数形にする。1/3 は one third
three quarters
スリー クウォータズ
4分の3
💡 1/4 と 3/4 だけは quarter を使うのが自然。three fourths も間違いではない
one hundred and twenty thousand
ワン ハンドレッド アンド トゥエンティ サウザンド
12万
💡 英語は3桁区切りなので、12万=120 thousand と考える。アメリカ英語では and を省くことが多い
one point five million
ワン ポイント ファイヴ ミリオン
150万
💡 150万を one million five hundred thousand と言う必要はない。小数+単位が一番速い
💡 💡 percent の語源はラテン語の per centum
percent はラテン語の per centum(ペル・ツェントゥム)=「100につき」から来ています。centum が100で、ここから century(100年)や centimetre(100分の1メートル)も生まれました。
同じく統計でよく使う ratio(比)はラテン語の ratio(ラーツィオ)=「計算・理由」がそのまま英語に入ったもの。rational(合理的な)と語源が同じで、もとは「筋道を立てて数える」という意味です。
データを表す data も、ラテン語 data(ダータ)=「与えられたもの」の複数形。単数形は datum で、いまでも学術論文では the data are… と複数扱いで書く流儀が残っています。ラテン語の語尾と数のルールは 解剖学ラテン語の基本 のほうで整理しています。
記号と数式の読み上げ
スライドに出てくる記号は、そのまま読み上げる決まり文句があります。ここは覚えるしかありませんが、数は多くありません。
| 記号 | 英語での読み | 例と読み方 |
|---|---|---|
| + / − | plus / minus | 5 − 2 → five minus two |
| × / ÷ | times(multiplied by)/ divided by | 6 × 4 → six times four |
| = | equals / is | n = 120 → n equals one hundred and twenty |
| ± | plus or minus | 5 ± 2 → five plus or minus two |
| ≒ / ≈ | approximately equal to | π ≈ 3.14 → pi is approximately three point one four |
| < / > | less than / greater than | p < 0.05 → p is less than zero point zero five |
| ≦ / ≧ | less than or equal to / greater than or equal to | x ≧ 10 → x is greater than or equal to ten |
| x² | x squared | 面積の単位 cm² → square centimetres |
| x³ | x cubed | 体積の単位 cm³ → cubic centimetres |
| xⁿ | x to the power of n | 10⁻³ → ten to the minus three |
| √x | the square root of x | √2 → the square root of two |
| a/b | a over b | 分数として読むとき。割り算なら a divided by b |
| Σ | sigma / the sum of | Σx → the sum of x |
| Δ | delta / the change in | ΔT → the change in temperature |
ten to the minus three
テン トゥ ザ マイナス スリー
10のマイナス3乗
💡 指数は to the power of … が正式だが、会話では to the … だけで通じる
x squared plus y squared equals r squared
エクス スクウェアド プラス ワイ スクウェアド イコールズ アール スクウェアド
x² + y² = r²
💡 式は左から順に、記号をそのまま言葉に置き換えていけばよい

単位・比率・範囲の言い方
five milligrams per kilogram
ファイヴ ミリグラムズ パー キログラム
5 mg/kg
💡 スラッシュは per と読む。分子は複数形、分母は単数形になる点に注意
thirty-seven point five degrees Celsius
サーティセヴン ポイント ファイヴ ディグリーズ セルシアス
37.5℃
💡 degrees は複数形。アメリカでは Fahrenheit を使う場面があるので、数字だけ言うと誤解が起きる
the ratio of one to two
ザ レイシオウ オヴ ワン トゥ トゥー
1:2 の比
💡 コロンは to と読む。a two-to-one ratio のように形容詞的にも使える
between twenty and thirty percent
ビトウィーン トゥエンティ アンド サーティ パーセント
20〜30%
💡 範囲は between A and B、または from A to B。percent は原則単数形のまま
roughly one in four
ラフリー ワン イン フォー
およそ4人に1人
💡 割合を直感的に伝えたいときに便利。25% と言うより印象に残る
a three-fold increase
ア スリーフォウルド インクリース
3倍の増加
💡 「〜倍」は -fold。twice(2倍)、three times(3倍)も使える。倍率と増加分を混同しないよう注意
図表の数字を説明する表現
発表で使うのは、結局この6つくらいの動詞です。数字そのものより、どう動いたかを先に言うと聞き手が図を追いやすくなります。
| 言いたいこと | 英語 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 軸の説明 | The x-axis shows time, and the y-axis shows concentration. | 図を出したら最初に必ず言う |
| 増えた | The value rose from 20 to 45. | rise / increase / go up。from A to B とセットで |
| 減った | It fell by about 30 percent. | by は変化量、to は到達点。混同しやすい |
| 変わらない | It remained stable throughout the period. | plateau(頭打ち)という言い方もある |
| 急激に | There was a sharp increase after week 4. | sharp / rapid / steep。緩やかなら gradual / slight |
| 最大・最小 | The value peaked at 8.2 and bottomed out at 1.5. | peak at 〜 は発表で頻出 |
| おおよそ | approximately / around / roughly 50 | 正確な数字が要らない場面で使う |
| 有効数字を断る | rounded to one decimal place | 「小数第1位で四捨五入」。表の注に書く定型 |
by と to の違いは、私が実際に間違えて指摘された点です。fell by 30% は「30%分 減った」、fell to 30% は「30%まで 減った」。結論が変わってしまうので、ここだけは意識して使い分ける価値があります。
図表を含めた発表全体の組み立ては 英語プレゼンの型、発表後に数字を突っ込まれたときの受け答えは 発表後の質疑応答で崩れない英語 にまとめています。

年号・日付・時刻でつまずかないために
twenty twenty-six
トゥエンティ トゥエンティシックス
2026年
💡 西暦は2桁ずつ読むのが基本。2000〜2009年は two thousand (and) five のように読む
the third of May / May third
ザ サード オヴ メイ / メイ サード
5月3日
💡 前者がイギリス式、後者がアメリカ式。どちらでも通じる
zero five hundred hours
ズィアロウ ファイヴ ハンドレッド アワーズ
05:00(24時間表記)
💡 病院や軍隊など24時間制の現場で使う言い方。日常では five a.m. で十分
日付の数字だけの表記は要注意です。03/05/2026 は、イギリス式なら3月5日ではなく5月3日(日/月/年)、アメリカ式なら3月5日(月/日/年)になります。書類やスライドでは、月を英字で書く(3 May 2026)か、国際規格の 2026-05-03 の形にしておくと誤解が起きません。
🧠 理解度チェック
Q1. 「0.05」を英語で読むと?
zero point zero five(または point oh five)。小数点以下は1桁ずつ読むので、point five とも point zero-five とも読みません。
Q2. 「fell by 20%」と「fell to 20%」の違いは?
by は変化量で「20%分減った」、to は到達点で「20%まで減った」。100から始まった場合、前者は80、後者は20になります。
Q3. 「5 mg/kg」の読み方は?
five milligrams per kilogram。スラッシュは per。分子は複数形、分母は単数形のままにします。
Q4. 「10⁻³」はどう読む?
ten to the minus three。正式には ten to the power of minus three ですが、会話では power of を省くのが普通です。
Q5. スライドに 04/07/2026 とだけ書くのが危険なのはなぜ?
イギリス式では7月4日(日/月/年)、アメリカ式では4月7日(月/日/年)と読まれるからです。4 July 2026 のように月を英字にするか、2026-07-04 と書けば誤解されません。
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まとめ
- 小数点以下は1桁ずつ、大きな数は3桁区切りで読む
- 記号の読み方は数が限られている。±・≒・≦・累乗・√ を先に押さえる
- スラッシュは per、コロンは to、% は原則そのまま percent
- 図表は軸の説明→変化→数字の順で言うと伝わる
- by(変化量)と to(到達点)を混同しない
- 数字は速く言うより、ひと呼吸置いて言い切るほうが伝わる
数字の読み方は、覚える量のわりに効き目が大きい部分です。授業で聞き取れる情報が増え、発表で黙る場面がなくなります。まずは自分の発表スライドを開いて、そこに出てくる数字と記号を全部声に出して読んでみてください。詰まったところが、そのまま覚えるべきリストになります。


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